日本酒を熟成させるとどうなる?「古酒」とはどんなお酒なのか

長期熟成酒

ウイスキーやワイン、泡盛など、長期熟成させて楽しむお酒はいろいろ知られています。
じつは、日本酒でも長期熟成させて楽しむ商品があるのです。
しかも、自分で熟成させて造ることもできます。

この記事では、日本酒の「古酒」について詳しく説明します。

古酒に少しでも興味を持った方は、最後までぜひ読んでみてくださいね。

日本酒の「古酒」はどのようなお酒か

古酒とは、長期間熟成させた日本酒のことを指します。

古酒の定義とは

古酒にはとくに決められた定義がなく、酒税上の決まりやラベル表示義務もありません。

通常、酒造年度(7月から翌年6月まで)中に造られて出荷された日本酒を「新酒」と呼び、次年度に出荷されたものを「古酒」、それ以上経過したものは「大古酒」と呼ばれます。

古酒を製造する酒蔵などで設立された「長期熟成酒研究会」では、「満3年以上酒蔵で熟成させた、糖類添加酒をのぞく清酒」を「熟成古酒」として定義しています。

古酒はどうやって造るのか

古酒は、タンクや瓶に詰められた日本酒を長期保存して造ります。
メーカーで造られる古酒は温度や品質管理されており、それぞれのメーカー独自の製法で造られます。

そして、個人でも古酒を造ることは可能です。
どのような日本酒からも古酒は作れますが、酸度が高く、無ろ過で火入れされているものが向いています。
生酒でも造れなくはないですが、酒質が変化してしまうケースがあるので避けたほうが無難です。

基本的な作り方は下記のとおりとなっています。

  1. 紫外線で劣化するのを避けるため、瓶を新聞紙で包む
  2. 本醸造酒や純米酒は常温、吟醸酒や大吟醸酒は1年程度冷蔵保存してから15~18度で保存。押し入れや冷暗所など、温度変化が少なく日光の当たらない所に瓶を立てておく。
  3. 熟成するまで置いておく

熟成期間は何年かという決まりは、とくにありません。
メーカーの商品では2~3年熟成のものから10年以上、中には40年以上熟成させた商品もあります。
自分で古酒を造る場合は、常温保存で7~8年、冷暗所保存で12~13年というのが飲み頃の目安です。
飲み頃になるまでの期間、安定して保存できるかどうかが、自分で古酒を造るうえでの最大のポイントとなります。

古酒はどのような味わいなのか

古酒として熟成させた日本酒は、新酒とはまったく趣の異なったお酒となります。

熟成させることでハチミツのような琥珀色に変化し、ドライフルーツやカラメルのような甘く独特の熟成香が出てきます。
酸味や甘味は丸く穏やかで、奥行きや深みを感じられる味わいは余韻も長く続き、ゆっくりと味わいたいお酒です。

このような味わいは、熟成させる日本酒の種類によっても特徴が変わります。
吟醸酒や大吟醸酒の古酒は比較的飲みやすく、本醸造や純米酒の古酒はどっしりとした個性的な味わいです。
また熟成温度や期間によっても風味は大きく変化し、熟成温度が高く、熟成が長期になるほど色合いや味わいは濃厚になる傾向があります。

どのような変化をしているかは、熟成期間を経て栓を開けるまではわかりません。
そういうところも、古酒の大きな魅力であるといえるでしょう。

おすすめの銘柄

ここで、おすすめの古酒についていくつか紹介します。

萬歳楽 白山 大吟醸古酒

https://www.shop-manzairaku.jp/SHOP/11131.html

石川県の白山市にある酒蔵で造られる大吟醸古酒です。
特別A地区の山田錦だけを使った大吟醸酒を、3年間低温熟成させて造られています。
低温で熟成させることでアルコールが丸くなり、口当たりはなめらかです。
薄い黄金色の見た目と、果実を感じる香りで、味わいは非常にすっきりしています。

達磨正宗 十年古酒

https://www.daruma-masamune.co.jp/products/detail.php?product_id=3

岐阜県にある、江戸時代から酒造りをしている酒蔵で造られている古酒です。
古酒用につくられた日本酒をゆっくりと丁寧に熟成させて造られる、達磨正宗の古酒。
この商品は10年以上熟成させた古酒を、杜氏によって絶妙なバランスでブレンドして造られています。
甘くスパイシーな香りと長い余韻を感じられる十年古酒は、日本酒コンクールで優勝、国際線のファーストクラスでも採用されるなど、その実力は折り紙付きです。

沢の鶴 1973年醸造 古酒

https://product.rakuten.co.jp/product/-/54f0d6bedfd9df26d3c221e97217a18c/

酒どころの神戸・灘の蔵元である、沢の鶴が造る古酒です。
300年以上の歴史を持つ沢の鶴で造られる40年以上の歳月を経て生まれた古酒は、きれいな黄金色をしています。
キノコやナッツのような独特の強い香りに、奥深い甘みと旨みが特徴です。
長い歴史を感じられる長期熟成古酒は、味わいと共にロマンを感じさせてくれます。

長期熟成した日本酒を味わってみましょう

ここまで、日本酒の古酒について説明してきました。

熟成させることで、自分の知っている日本酒とはまったく違うものになる、という驚きを感じさせてくれます。
多少クセがありとっつきにくい所もありますが、その魅力に取りつかれたら病みつきになってしまいますよ。
ぜひ一度、試してみてはいかがでしょうか。

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