新鮮=美味しさじゃない!色香漂う「熟成酒」の世界。

勤務先にいるアルバイトの女子大生に、「裏起毛のスパッツ、あったかいよ!」と勧めたら、軽くドン引きされました…。

真冬にミニスカートが寒そうだったので紹介したのですが、寒さよりも可愛らしさをとるとのこと。
若さって、我慢が利くってことなんですね。いいなぁ。

しかしですよ、今、巷では「熟成肉」ブームというではありませんか。

フレッシュさが至上ではなくなっている、新たな価値観の誕生を予感させますね。
そこで今回は、新酒にはない「熟成酒」の魅力について語りたいと思います。
口に含んだときに感じる、練られたふくよかさや、尖ったところが無いまろやかさ。
年月を重ねたことで生まれる、熟成酒の色香に酔いしれようではありませんか。

さぁ、まいりましょう。魅惑の熟成酒の世界へ。

熟成酒とは

「熟成」とは、時間をかけていい頃合いになることです。
「熟成酒」は、時間をかけて美味しくなったお酒、美味しくするために時間をかけた日本酒、ということになります。

例えば、秋に店頭に並ぶ「ひやおろし」は、短期間で熟成されたお酒です。
冬に絞った日本酒を、夏の間貯蔵庫で寝かせ、秋に出荷します。その間、ほどよく熟成されて粗さが取れ、まろやかさが生まれます。

また、銘柄によっては、「3年熟成」「5年熟成」など、蔵元で熟成させてから出荷する日本酒もあります。

熟成したお酒を飲んでみたいけれど、何から手を付けていいかわからない、という方は、この「〇年熟成」とラベルに書かれたものを選ぶのがわかりやすいですね。

日本酒にこだわりのある酒屋さんでは、お店の貯蔵庫で熟成させてから、いい頃合いになったと思われるものを店頭に並べる、というお店もあるようです。

熟成させると美味しくなるの?熟成酒の良さって?

新酒が透明でさらっとしている飲み口に対し、色は琥珀色になりとろみがある口当たりに変化します。
旨味や甘み、酸味が増したり、熟成香と言って芳醇な香りが広がります。若い日本酒よりもより味の層が厚くなり、味に深みがでます。

こちらは、「悦外陣(よろこびがいじん)」という香川県の日本酒です。
平成17年度に造られたお酒です。(H17BY)

H17BY

あぁぁ~。。。これはちょうどよく熟成されました。時々、熟成させすぎて熟成香が強くなりすぎてしまうことがあるのですが、これはちょうどよい塩梅です。

こちらはH15BYで、色がやはり濃いですね。

H15BY

豚肉の味噌漬けやもつ煮のようなしっかりした味付けの料理には、若い日本酒だと負けてしまうことがあります。
熟成させた日本酒は味も香りも深みが出て濃厚になっているので、濃い味つけにも負けることがなく、相性は抜群です。

自宅熟成のススメ

あらかじめ熟成された日本酒を買うのもいいですが、自宅で熟成酒を育てるのも、とても楽しいのでおすすめです。
新酒で買った日本酒を、あえてすぐには飲まずにそのまま熟成させます。

我が家では、あまり新酒を飲むことがありません。新酒を買っても、自宅で熟成してから飲みます。
自宅には、常時100本ほどの日本酒があり、セラーに入れているのはほんの一部。

あとは常温で放置プレイです。
今ある日本酒で一番古いのはどれだろうとゴソゴソと漁ってみたところ、

平成14年BYの純米吟醸(!)が出てきました。
もう成人じゃないですか。20年経ってますね…。
(銘柄によっては、吟醸でも美味しく熟成が進むものもあるんですよ)

平成14年BYの純米吟醸

どんな味になっているのか、楽しみです。

また、一度開栓したものをそのまままた熟成させるのもアリです。
飲んでみて、もう少し寝かせてみようかな?と思ったら、そのまままた放置すればOK。

開栓後なので、熟成の進みが早いです。夏場は特に進みますので、時々飲んでみて熟成具合を楽しんでみてください。

熟成に向いている日本酒

自宅で熟成させる楽しみをお伝えしましたが、どの日本酒でも熟成に向いているというわけではありません。
チーズで例えるとわかりやすいかもしれませんが、フレッシュな状態で食べるのが美味しいものと、(ブラータやモッツアレラ)熟成が進んだものが美味しいものがありますね。(ミモレットやコンテ)

日本酒も同じです。
ボジョレーのように若飲みタイプのもの(新酒しぼりたてなど)は、フレッシュなうちに飲み切る方が美味しく飲めると思います。

熟成酒の美味しい飲み方

燗酒がおすすめです。
熟成された丸み、しみじみとした旨味が、温めることでさらに広がり、ふくよかさを増します。

熟成酒を飲んで日本酒の新たな魅力を知ろう!

熟成酒の魅力は、寝かせることにより粗さがなくなり角が取れ、旨味が丸くなるところです。まさに、人間の熟成とも似ていますね。
若いうちは、勢いのある粗さも魅力ですが、年月をかけて穏やかになったり、経験からくる深みや味というものは熟成されているからこその魅力です。
自宅で熟成酒を育てれば、熟成していく味の変化を楽しむことができます。
若い日本酒では味わえない奥深さを、ぜひ堪能してくださいね。

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