12月になり寒い日が続くと、これまでは冷酒や常温で日本酒を飲んでいた人も熱燗が恋しくなってきますよね。
とはいえ、
- 熱燗って手間がかかるのでは?
- 適温が難しそう
- どうやったら熱燗を美味しく作れるの?
など、冷酒や常温で飲むよりも敷居が高いと感じている人も多いかもしれません。
そこでこの記事では、熱燗初心者に向けて、簡単な熱燗の作り方と、美味しく作るコツを解説します。
日本酒の熱燗の作り方
①レンジで作る方法
熱燗を作る上で最も手軽なのが、レンジで燗をつける方法です。
- 日本酒を徳利に入れる
- 徳利の口にラップをする
- レンジの「牛乳」や「酒」ボタンで加熱する
レンジで熱燗を作る時の最大のポイントは、「温度ムラを最小限にする」ことです。
徳利は、その独特の形状(縦に細長く、首元が締まっている)ことから、徳利の上部と下部では温度差が生じます。
上部と下部では約41度の差があるという研究結果も。
参考:徳利の電子レンジ適正について(日本醸造協会誌)
これでは、最初は適温だと思っても、飲み進めるほどに温度が低くなり、熱燗の良さが失われてしまいます。
この温度ムラをなるべく小さくするためには、レンジを開始して約20秒後に徳利をいったん取り出し、徳利を振って中の日本酒の温度を均一にするようにし、その後再び加熱します。
徳利を振った時にこぼれないように、日本酒を徳利の口ギリギリまで入れないようにしておくのもポイントです。
②湯煎で熱燗を作る方法
- 鍋に水を適量張る
- 日本酒を入れた徳利を鍋に入れ、水位が徳利の半分くらいになるように水の量を調整する
- 徳利無しでお湯を沸かし、沸騰したら火を止める
- 徳利をお湯の中に入れる
湯煎で熱燗を作る時の最大のポイントは、湯煎時間をなるべく短くすること。
40度くらいの燗にしたいからといって、お湯をぬるめにするのではなく、沸騰したお湯に入れて短時間で仕上げるようにしましょう。
長時間お湯に漬けておくと、アルコールや香りが飛んでしまい、日本酒の風味を損ねる原因になります。
理想は、沸騰したお湯に入れて2~3分で仕上げることです。
徳利を持ち上げ、底に手を当てた時に熱いなと感じる温度を一つの目安にすると良いと思います。
湯煎はレンジよりも温度ムラができにくいため、お湯を沸かす手間を惜しまない場合には、湯煎がおすすめです。
徳利の素材や、日本酒の種類、好みの温度もそれぞれですので、何度か試してみて自分に合った温度を探してみるのも楽しいですね。
日本酒のお燗の温度と呼び方
一口にお燗といっても、実は温度によって呼び方があります。
温度には好みもありますが、日本酒の種類によっても美味しい温度が違います。
一般的に、「吟醸系」はあまり燗にしませんが、燗にするなら日向燗~ぬる燗程度と、あまり高くない方が吟醸の香りを失わずに美味しく飲めます。
生酛・山廃系の純米酒や、熟成酒などどっしりとした日本酒は、温度を上げるほど味に膨らみが生まれるものが多いです。
日向燗(ひなたかん)…温度をあまり感じない |
30度 |
人肌燗(ひとはだかん)…温かいと感じる |
35度 |
ぬる燗…熱くはない |
40度 |
上燗(じょうかん)…注いだ時に湯気が立つ |
45度 |
熱燗…徳利から湯気が立つ |
50度 |
飛びきり燗(とびきりかん)…徳利を持つとかなり熱い |
55度 |
熱燗で日本酒を楽しもう
この記事では、熱燗初心者の方に向けて、日本酒の美味しい熱燗の作り方をご紹介しました。
レンジでは、温度ムラを最小限にすること、湯煎では、お湯を沸騰させて短時間で燗をつけることが美味しい熱燗を作るポイントです。
寒くなると恋しくなる熱燗は、心も体も温めてくれます。
ぜひ自分好みの温度で日本酒を楽しんでくださいね。