ここ最近再注目されている日本酒。
日本酒専門のバーやお洒落な角打ちなど、これまで日本酒に触れることのなかった世代が手軽に日本酒を飲む機会が増えたことも再注目されている要因です。
とは言っても
「日本酒に興味はあるけれど種類が多くてどれを飲めばいいか分からない」
「なんとなく高級なイメージがあって手を出しづらい」
など日本酒に対して苦手意識を持つ人も多いです。
種類が多いという点で、「原酒」や「新酒」など聞きなれないワードに疑問を持つ方もいるでしょう。
本稿では日本酒でよく聞く「新酒」について理解していただけるよう詳しく解説していきます。
「新酒」とは?
「新酒」という言葉ですが、秋冬の季節になると酒屋や酒造メーカーでよく耳にすることがあると思いますが、「新酒」と一言に言っても、実は色々な定義があります。
もともと「新酒」とは、酒造年度内(毎年7月1日から翌年6月30日)に造られた日本酒のことを指していました。
しかし現在は、新米で造られた最初の日本酒のことを指すことが多いです。
新米で造られた最初の日本酒とは、秋にお米を収穫して冬の間に酒造りを行い、それを春先に出荷します。その時期に出た最初の日本酒を新米で造られた最初の日本酒として「新酒」と名づけ販売しているのです。
「新酒」は醸してからまだ日が浅く、熟成が進んでいません。熟成が進んだ日本酒の特徴にあるようなコクやまろやかな口あたりはあまり感じられませんが、爽やかでキリッとした飲み口と、フルーティーな香りを持ち、日本酒とは全く違った味わいを楽しむことができます。
他にも口当たりが荒く複雑な味わいと感じる方もいますが、その荒々しい味わいを好んで飲まれる方も多いです。
また、微炭酸を帯びているのも「新酒
」ならではの特徴で、スパークリング日本酒と呼ばれることもあります。
時期によって「新酒」の呼び名が違う?
「新酒」に明確な定義がないことを分かっていただけたと思いますが、「新酒」の中にも種類があり、出荷時期や製法によって区別されています。
日本酒のラベルに「しぼりたて」「あらばしり」という記載があるのを目にしたことはありませんか?ここからは、2つの種類の「新酒」について解説していきます。
・しぼりたて
日本酒は一般的に冬に製造されますが、製造工程の終盤にはアルコール発酵したもろみを酒と粕に分ける絞りの作業が行われます。
絞り作業ののち、通常であれば出荷前に火入れと呼ばれる殺菌作業を2回に分けて行うのですが、生酒ではこの工程を行いません。
その中でも11月から3月にかけて出荷されるものをしぼりたてと区別しています。
火入れ作業を行っていないぶん、原料である米の風味を感じ、フレッシュな味わいを楽しむことができるのが特徴です。
・あらばしり
製造工程の終盤にさしかかるとアルコール発酵したもろみを酒と工事に分ける絞り作業が行われますが、その工程で最初に出てくる日本酒のことを指します。
絞り始めなので他の日本酒には少ない微炭酸が特徴で、他の製法でつくられた日本酒に比べて軽快な味わいとなっているので、これから日本酒に挑戦しようと考えている方におすすめです。
「新酒」の時期とは?
日本酒には酒造年度と呼ばれる指標があり、その年の7月1日から次の年の6月30日までを酒造年度の1年としています。
日本酒造りの工程は秋から春までが一般的ですので7月1日を年初めとした経緯があるようです。
これは日本酒が造られ始めた当初からの慣習であり、冷蔵設備が進化した現代では秋から春までという縛りを持たず、年間通して日本酒造りを行っている酒蔵もあります。
「新酒」の定義はしっかりと決まっていませんが、現在は新米で造られた最初の日本酒を指すことが多いです。
「新酒」おすすめの飲み方
ここまでは「新酒」についての知識や概要について解説しました。ここからは先ほどご紹介した2種類の「新酒」を、それぞれおすすめの飲み方で紹介していきます。
・しぼりたて
フルーティーで果実酒のような爽やかな飲み口が特徴の「しぼりたて」は、冷蔵庫で冷やしてから冷たい状態のまま飲むのがおすすめです。
お刺身はもちろんのこと、チョコレートなど洋菓子と合わせて飲むのもおすすめです。
・あらばしり
日本酒造りの工程で最初にできる「あらばしり」は、人によってはクセがあり飲みづらいと感じる方もいるかもしれません。
しかしそのクセを楽しみたいというあらばしりコレクターもいるほど人気の「「新酒」」です。
あらばしりは独特の味わいを楽しむために、常温で飲むことをおすすめします。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございました。
本稿で覚えていただきたいポイントは以下の通りです。
・「新酒」の時期に明確な定義はない
・日本酒には酒造年度という指標がある
・「新酒」も時期によって呼び方が違う
本稿がこれからのあなたの日本酒を楽しむ上での一助となりましたら幸いです。