コロナ禍によってますますの盛り上がりを見せる日本酒業界。
外で飲む機会が減りお金を使わなくなったぶん、普段は高くて手が出ないようなお酒にも挑戦しようという人が増えているからだそう。
その中でも注目を集めているのが「にごりです。
「にごり酒」とは言ってもにごっているお酒全てが「にごり酒」と呼ばれる訳ではありません。
他にも疑問をお持ちの方が多くいらっしゃると思います。
本稿では「にごり酒」の定義や魅力について詳しく解説していきます。
「にごり酒」とは?
「にごり酒」とはその名の通り白くにごったお酒のことを言います。
日本酒製造の際は発酵後の醪(もろみ)を布などで濾過して、米麹や酵母が結晶化した澱という成分を除きます。
この濾過作業時にあえて目の粗い布で濾すことで澱を残し白濁するのです。澱を残すことで芳醇な香りと味わいをもった「にごり酒」を作ることができます。
では白くにごったお酒は全て「にごり酒」と呼べるのでしょうか。
白くにごったお酒といえば「どぶろく」や「甘酒」を思い浮かべる方もいるかと思いますが、実はこれらのお酒は酒税法上「にごり酒」とは呼びません。
「どぶろく」は醪(もろみ)を濾過せずにそのまま飲むもので、「甘酒」はアルコールが入っていないという理由です。
酒税法上では日本酒を「米、米麹および水を原料として発酵させて、濾したもの」と定義しているため、これに当てはまらないものは日本酒である「にごり酒」に分類されないということになります。
「にごり酒」の種類
「にごり酒」といえば濃厚でトロトロしたタイプをイメージされると思いますが、実は甘口や辛口、スッキリしたものなど複数種類に分けられます。
本稿では以下の4つを紹介します。
・おり酒
「おりがらみ」とも呼ばれるおり酒は澱を多く残し酸味が強いのが特徴です。
トロッとした口当たりにお米の風味も感じることができます。
エッジの効いた味わいなのでロックで飲むのがおすすめです。
・ささにごり
ささ(細)にごりと言われている通り、澱が少なくスッキリとした味わいが特徴です。
クセがないため「にごり酒」に挑戦したいと思っている、「にごり酒」ビギナーにおすすめです。
・うすにごり
「ささにごり」よりもさらにあっさりとしており、口当たりが柔らかいのが特徴です。
「にごり酒」のとろみや濃い味わいが苦手な人でものみやすいでしょう。
・活性にごり
醪(もろみ)を濾過したあとに、あえて火入れをせずにそのまま瓶詰めされています。酵母がまだ生きた状態で瓶詰めされているため、シュワシュワとした爽快な口当たりを楽しめます。
おすすめの「にごり酒」
①八百新酒酒造 雁木活性にごり
https://www.sakaya1.com/SHOP/ngg021.html
「活性にごり」に分類されるフレッシュな味わいが特徴の「にごり酒」です。
アルコール度数は14%台で飲みやすく、発生する泡にもこだわっており、スパークリング日本酒が苦手な方にもおすすめです。
甘さが控えめなので様々な料理に合わせて楽しんでいただけます。
②酒千蔵野 川中島純米にごり酒
http://www.shusen.jp/goods.html
長野県に位置する酒千蔵野で圧倒的な支持を得ているこのお酒は、美山錦という酒米を65%まで磨き上げ、純米で仕上げた逸品です。
トロッとした飲み口ですが、くどさは無く濃厚ながらも甘みとお米本来の旨味を楽しめる仕上がりとなっています。
③中埜酒造 國盛にごり酒
https://www.nakanoshuzou.jp/product/detail/00150/
まろやかな口当たりにさらっとした飲み口という特徴を持ったお酒です。
醪(もろみ)を瞬間的に加熱し急速に冷やすことでお米の旨味を凝縮させ、甘口ながら淡麗な味わいを楽しむことができます。
アルコール度数も14%と飲みやすいため、「にごり酒」ビギナーの方にもおすすめです。
「にごり酒」に合うおつまみ
・チーズ
日本酒にチーズ?と思われるかもしれませんが、チーズのほのかな酸味が「にごり酒」の甘さにマッチします。
チーズが濃厚な味わいですので、「活性にごり」のような爽快な口当たりの「にごり酒」をおすすめします。
・からあげ
ビールなどのスッキリとした口当たりのお酒に合うとされるからあげですが、実は「にごり酒」にもマッチするのです。
「にごり酒」の旨味や甘みをからあげの油で中和させると、また違った味わいを楽しむことができます。
無炭酸のすっきりとした「ささにごり」や「うすにごり」がおすすめです。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございました。
「にごり酒」の定義や、おすすめの銘柄について紹介させていただきました。
覚えていただきたいポイントは以下の通りです。
・目の粗い布で濾過することで「にごり酒」となる
・にごっていれば「にごり酒」というわけではない
・「にごり酒」は数種類に分けられる
ひとえに「にごり酒」と言っても、銘柄によって違いやこだわりがあることを分かっていただけたと思います。
日本酒ブームを牽引する「にごり酒」は、これからさらに人気となっていくでしょう。
本稿があなたの「にごり酒」を楽しむ上での一助となれば幸いです。