日本酒検定は、日本酒への知識や関心を深めた人が取得できる資格とされており、近年は国内だけではなく、海外からも受験される人がいるほど、注目が集まっています。
そこで今回は級ごとの難易度や取得したときのメリットなど、日本酒検定の詳細について解説していきます。
日本酒検定について
「日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)」が消費者に対して「日本酒をもっと楽しんでもらう」ことを目的として実施されています。
初回は2010年に開催され、2022年までに累計で約5000人以上の人が合格しており、試験自体は筆記試験のみ。テイスティング試験は行われないので、気軽に受けやすいという特徴もあります。
検定料金や各階級の難易度
初めて受験される人は5級・4級・3級から挑戦できます。
5~3級の問題内容は以下の項目から出題されます。
- 歴史
- 文化
- 醸造方法
- マナー
- 日本酒の楽しみ方
- 雑学
基本的な勉強方法としては「酒仙人直伝 よくわかる日本酒」という公式の参考書を使うのが、合格への近道です。
5級・4級
日本酒の基礎知識をはじめ、応用知識を活用して日本酒の魅力を身内で共有しながら楽しめるレベルです。
- 開催日:毎日(50分間)
- 受験料:税込1,000円
- 出題方式:5級(正誤選択方式30問)、4級(二肢択一選択方式30問)
- 合格基準:正答率70%以上
- 合否:即時判定
3級
基礎応用に加え、日本酒の特徴や魅力を明確に理解して第三者に伝えられるレベルです。
受験方法はCBT(全国のテストセンターにて行うコンピューター受験)と会場受験の2パターンがあります。
1.CBT受験
- 開催日:毎日(50分間)
- 受験料:税込4,650円
- 出題方式:四肢択一選択方式50問
- 合格基準:正答率70%以上
- 合否:即時結果判定
2.会場受験
- 開催日:毎年3月と9月の第2土曜日に東京と大阪の指定された会場にて開催
- 受験料:税込3,650円
- 出題方式:CBT受験と同一
- 合格基準:CBT受験と同一
- 合否:3週間後に郵送にて告知
過去問題に挑戦!
こちらは実際に日本酒検定3級で出題された問題です。試しにどれぐらい正答できるかやってみましょう。
1、日本酒造りに使用される主要なお米はどれ?
A餅米 B赤米 C古代米 Dうるち米
2、米の中心部分に見える白色不透明な部分の名称
A掛米 B心白 C胚芽 D肌白
3、日本酒成分中の約何%が水分か
A20% B40% C60% D80%
4、日本酒に使用される主な麹菌の種類はどれか
A白麹菌 B黄麹菌 C黒麹菌 D紅麹菌
5、乳酸を添加する酒母造りの手法は何と呼ぶか
A速醸系酒母 B三段系酒母 C生酛系酒母 D麹系酒母
さらに日本酒の知識を増やしたいという方は、上級編の2級・準1級・1級に挑戦してみましょう。
日本酒検定を受験するメリット
日本酒の醸造から原材料はもちろん、歴史などの背景も含めた、様々な知識を改めて勉強することで、味わいをより理解して楽めます。
日本酒を提供する立場であれば、扱っている日本酒の情報を正しく把握して、お客さんの好みに合ったお酒を提供できるようになります。
日本酒検定以外の資格
日本酒に関連する資格は日本酒検定だけではありません。日本酒に関わる人気の資格をご紹介します。
唎酒師
日本酒検定を運営している団体が主催する認定資格で、注目度が一番高い資格です。
取得するメリットは日本酒知識に加え、ビジネスに関連した知見も深められます。お酒を提供する立場であれば、お客様からの信頼を得られるでしょう。
唎酒師の試験内容は筆記試験とテイスティング試験があり、通信コースであれば全4回の課題に合格することが条件です。
その他「1日通学コース」「2日間集中コース」もあります。
酒匠
日本酒に関わる資格の中でも、最高難度とされています。筆記試験はもちろんですが、テイスティング能力の高さも求められます。
酒匠を取得すれば、様々な日本酒の味や香りなどを「言語化」できるようになります。多くの人により分かりやすく情報を伝えたい人におすすめの資格です。
まとめ
日本酒への知識が深まれば、日本酒の飲むときの楽しさや魅力は倍以上へと広がることは確かです。
また検定に向けて、勉強を通して得る知識もあれば飲んで学ぶ知識も重要になってきます。
日本酒の資格でも比較的、お手軽に受験できる検定なのでぜひ合格して、より良い日本酒ライフを過ごしましょう!