余った日本酒の扱いに悩んだ経験がある方もいるのではないでしょうか。
消費方法の1つとして料理に使うことが思い浮かびますが、購入した日本酒を料理用として使ってもよいのか、悩みどころですよね。
結論からいうと、日本酒を料理酒の代用として調理に使っても全く問題ありません。むしろ、料理酒で作るより美味しく感じられる可能性もあります。
今回は日本酒と料理酒の違いと、日本酒を料理で使うメリットを徹底解説します。
調理用におすすめの日本酒の種類も紹介しているので、余った日本酒を最後まで消費したい方はぜひ最後まで読んでみてください。
日本酒と料理酒の違い
お酒の色は透明なものが多く、一目見ただけで日本酒と料理酒の違いを見分けるのは難しいですよね。
ここでは、日本酒と料理酒の違いを紹介します。
日本酒 |
料理酒 |
|
塩分 |
含んでいない |
含んでいる |
甘味料・酸味料 |
入っていない |
入っている |
塩分を含んでいるか
日本酒と料理酒の違いの1つが、塩分を含んでいるかどうかです。
日本酒は塩分を使わず、米・米麹・水などで醸造するのに対し、料理酒は日本酒の原材料に塩分を加えて造ります。
料理酒によっては塩分濃度が3%ほどある商品も。これは海水とほとんど同じ濃度です。
甘味料・酸味料が入っているか
料理酒のなかには、甘味料や酸味料が入っている商品もあります。
調味料をあれこれ入れなくても味を整えることが可能です。
日本酒には甘味料や酸味料は入っていないため、米本来の旨味がそのまま残っています。雑味も少なく、調理した食材の美味しさを引き出しやすいと言われています。
日本酒と料理酒では価格も異なる
一般的に、料理酒の方が日本酒よりも安価です。原因の1つは、酒税がかかるかどうかです。
日本酒に食塩を加えると「調味料」という扱いになり、酒税がかかりません。
財務省によると、令和3年12月時点で一升(1800ml)の日本酒には198円の酒税がかかります。
198円の酒税の上に10%の消費税もかかるので、日本酒が料理酒よりも高額になるのは必至とも言えるでしょう。
料理に日本酒を使うメリット
日本酒は料理酒よりも高価で、甘味料や酸味料が入っていない分調味料を調合しなければなりません。
しかし、手間が気にならなくなるほどの魅力もあります。日本酒は塩分を含んでいないため、食材に味が染み込みやすく、食感が柔らかくなりやすいのです。
ここでは、料理に日本酒を使うメリットを解説します。
1.味が食材に染み込みやすい
料理に日本酒を使うメリットの1つが、味が食材に染み込みやすくなることです。味の染み込みやすさを決めるのは、塩分の有無。
塩分は粒が大きいため、食材に他の調味料の味が染み込むのを妨ぎます。料理酒は塩分を含んでいる分、材料に味が浸透しにくいのです。特に大根のような硬くて味が染み込みにくい食材は、日本酒を使う方が美味しく調理できます。
例えばおでんを作るとき、料理酒の代わりに日本酒を使うと、味が食材の芯までじんわりと浸透してより美味しくいただけますよ。
2.食材の食感が柔らかくなる
日本酒が含むアルコール分と糖分には、食材を柔らかくする働きがあります。
アルコール分は食材の保水性を高め、糖分はタンパク質と結びついて食感を柔らかくしてくれます。
焼き魚や肉料理など、できるだけパサつきを抑えたいメニューには、日本酒を使う方が効果的です。
3.日本酒ならではの上品な香りがつく
日本酒が含んでいる糖類とアミノ酸は、料理の香りづけに大きな効果を発揮します。糖類とアミノ酸は熱が加わると反応が起こり、芳醇な香りを漂わせるようになるのです。
糖類とアミノ酸は、日本酒の原料である米から生まれます。日本酒は塩分や甘味料を含んでいない分、米の割合が料理酒よりも大きいため、糖類とアミノ酸がより多く含まれます。
試行錯誤を繰り返して分量・加熱時間・銘柄などを上手に使い分けられるようになると、料亭の味に近づけるかもしれませんよ。
日本酒を料理に使うときはどの種類を選べばいいの?
日本酒を料理に使うときは、吟醸酒よりも純米酒を選ぶのがおすすめです。
純米酒は精米歩合が高すぎず、米の旨味もしっかり残っているため、料理に使うのに適しているからです。
精米歩合とは、玄米を精米して磨いた時に残った割合のこと。精米歩合が高い吟醸酒や大吟醸酒は、酒米をしっかりと削るため、米粒が小さくなり、米本来の旨味が残りにくくなってしまいます。料理に使ってもコクが足りず、物足りなく感じてしまうかもしれません。
そのため、料理として使うのであれば、「純米酒」がおすすめです。
日本酒を使ってワンランク美味しい料理を作ってみよう!
日本酒を料理に使うと食材に味が染み込みやすくなるだけでなく、食感を柔らかくしたり、上品な香りを加えたりできます。飲みきれずに余った日本酒の消費方法として、料理酒の代用にするのはおすすめの方法です。特に、純米酒であればより美味しく調理ができますよ。
ぜひお試しください。